2015年8月 600kmブルベを完走するも、そのダメージが大きく 特に”腰の痛み”により さらに1,200kmに向けて、連続して+600kmの走行は無理と考えていました。しかし、世の中には 1,200kmも余裕で走られる方々を見ると、実に軽々としたペダリングで 体に痛みを感じているとは思えませんでした。
そこで、選択したのが 自己流のライディングポジションを科学的に理想に近いポジションに変更すること。そのために 今回 シマノのバイク・フィッテイング・プログラムを選択しました。
2015年当時、フィッテイングステップは、Step1. Static Position Fitting、Step2. 3D Pedaling Analysis であり、Dynamic Fittingは、ありませんでした。
上図は、私の Colnago M10 size 450Sに対し、股下寸法、腕の長さなどを計測し、ライディング志向をRoad Racing Sportを選択(他は、Comfort、Competitionがあった)した。この図と寸法を見ても 何をどの程度変更すべきかがわかりません。
上図 X、Yで示すように 従来のバイクセッティングに対して、変更量を数値で示しています。
1.Handlebar Setting
まず、ステム寸法に相当するHandlebar Center Xですが、元々ひ弱な自分は 十分な体幹がないことからステム長を短くし、上体を腕で支えるポジションとしていました。これではだめなのでステムを+47mm長くしなさいという指導です。
また、Handlebar Center Y寸法を-28mm低くしなさいとの指導です。これも、乗車姿勢をアップライトにし、快適性を確保した自分の志向によるものです。従って、コラムスペーサーに調整代があり 変更可能な内容です。
2.Saddle Setting
サドルの高さに相当するSaddle Center Yを-8mm低くしなさいという指導は、自分が見栄で高くしていた分を適正にする指導であり、乗った感じも良好でした。
次にサドルの前後位置に相当するSaddle Center Xを+8mm後退させることは、あまり意識の中にありませんでしたが 後日、大腿四頭筋の疲労を抑制するために効果的な修正内容だったと気付いた重要な変更点でした。
3.Cleat Setting
既に4年前の話なので どのような経緯だったかは忘れましたが、クリート位置に関して、具体的な指導はなかったと記憶しています。しかし、ここで重要なアドバイスをさりげなく頂いたことを記憶しています。それは、この後のPedaling Analysis から自分の欠点を是正するためには、クリート位置を調整したほうが良いと 言ってくれたのだと信じています。フィッターの方は紳士的に ”最近は、クリートを後ろ目に調整することが主流ですよ” と言われました。これは、自分にとって貴重な意見であり、この後のペダリング改善に大きく寄与したと考えている。
4.Pedaling Analysis
この内容に関しても4年前のために、記憶に曖昧な点もあるのですが ペダルに加わっている足の力を計測する機器を取り付け(多分 測定用ペダル) 固定ローラーで220W位に設定されて 汗を流しながらローラーを回しながら 計測した記憶が残っています。この結果です。
上図は、少し前からパイオニアのパワーモニタが普及して このベクトル表示も馴染みになっていると思います。内容は、恥ずかしいものでして (a)ペダリング軸に対して、垂直荷重できてなく前押し状態。(踵が落ちているペダリング) (b)下死点での荷重がかなり残っておりブレーキになっている。 (c)ペダリング荷重のスタートポイントが3時を越えており、パワーがロスしている。
大きくは、(a)、(b)、(c)の3点に関して、従来から ペダリングロスがあるだろうなという その気配を感じてはいたものの 改めて数字で示されました。
この図から読み取ったには、左足のパワーが295Nと右足の261Nに比べて10%程度大きく実際にペダリングをしていても 左足のペダルへの引っ掛かり(荷重)が大きいと感じており、それを改めて示された。また、上図・下のグラフを見ると、下死点のブレーキの量に関して、左右の個別に判り、左側パワーが大きいがブレーキ量も大きく効率が悪いと読み取れます。その量に関しては、次の図で示しています。
上図に、荷重量に対して、ブレーキの量を相対的に示しており、左側が11%のブレーキ、右側が9%のブレーキを掛けていることが判りました。従って、左側のペダリング改善が相対的に重要ということです。
5.Pedaling Analysisを受けての感想と改善の進め方
<感想>ペダリングの効率に関して、定量的にどこが悪いのかを明確に示してもらった。今回、左側の外足荷重に関して、意識を含めて その場で修正を掛けたが 簡単には、修正できませんでした。つまり、フィッテイングは、自分の欠点を認識する場であって、バイクのポジション設定により その欠点を修正する環境が整ったが、欠点を修正するところまで至ってないということです。
<改善の進め方>上記に書いたように 自分の修正ポイントは、 (a)ペダリング軸に対して、垂直荷重できてなく前押し状態。(踵が落ちているペダリング) (b)下死点での荷重がかなり残っておりブレーキになっている。 (c)ペダリング荷重のスタートポイントが3時を越えており、パワーがロスしている。 以上の3点であり、これをブルベに参加しながら 修正していくことを決意しました。従って、フィッティングに行った翌日から効率良いペダリングに変わるというのは全否定され、今までの様々なペダリングの悪い癖を修正するために 長期間が必要であるということを認識しました。ちなみに、一度フィッティングを受けるとPedaling Analysisのみであれば短時間、低コストで受けられるという説明を受けました。
それでは、その後4年間かけて どのように修正を掛けたのかを (2)ライディング・フォームの変更、(3)ペダリング・フォームの変更 へと次回以降 続けて説明します。
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